[コメント] インビジブル(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
H.G.ウェルズ原作の「透明人間」を下敷きとした作品。テーマが特撮やCGXの心を刺激するためか、原作を含め、その亜流は数多く作られている。本作もその内の一つで、そう言う意味では極めてまとも。
SFホラーとしての出来としては普通っぽいが、ヴァーホーベン監督のファンとしては、とても悲しかった。何でこんな普通の作品を作ってしまうのか?
ヴァーホーベン監督らしさと言うのは結構ある。私なりにそれを挙げてみたい。
1.ブラックな笑いを殊更強調する。
2.働く女性がとにかくパワフル。
3.過激描写。
4.SF的描写より機械的描写を強調する。
5.ぶっ壊れたプロットを力業でねじ伏せる(これは関係ないか?)
それらは皆、この監督だからこそ出来る事で、私的には行き過ぎも許せてしまうのだが、逆に言えば、これらの要素が全然無いと、裏切られたような気がしてしまう。
それで本作はそれらの要素をほとんど出す事がなく、ごくごく普通に作ってしまった感じ。これを監督が自分を抑えた。と言う向きもあるだろうけど、私はとても悲しかった。いや、はっきり言って不快感さえ感じた。そりゃ他の作品と較べて、ちょっとばかりは過激かも知れないけど、それだって足り無すぎ。
それで、監督に言いたい。
「普通になっちゃいかんのだよ。あなたは」
主役のケヴィン=ベーコンは結構好きな役者で、特にこの作品での悪役ぶりは堂に入っていて格好良いんだけど、本人がほとんど登場しないと言うのはねえ。
それとも「良い役者を無駄にする」。と言う新しい特徴が出来たのか?
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。