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[コメント] 大怪獣ガメラ(1965/日)

あの時代は国際線の中で煙草吸えたんだよな〜
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 東宝の『ゴジラ』に対抗して大映が試みた特撮野心作。単に破壊するだけではゴジラと同じになってしまうからか、色々と違いを出すべく様々な試みがなされているのが特徴で、後年の作品に色濃く残されていく「ガメラは子供が好き」というのも既にここから始まっている。

 大映はこれが最初の特撮作品になるはずだが、ガメラの動きと言い、特撮の凝り方と良い、かなり凄い水準に達している(飛行機の描き方は特に良い)。アニメーション合成もさほど違和感無しだし、特に尻尾の演技は特筆に値する(ゴジラでの操尾技術も凄かったけど)。飛行の見せ方も実に巧い。

 事は日本だけでなく、世界を舞台としているのも良い。最後の「Z作戦」は全世界が共同して行っていると言うことで、冷戦を笑い、グローバリゼーションをしっかり念頭に置いていることが分かる(冒頭で原爆が爆発した時はちょっと驚いたけど)。更に子供を起用することで、怪獣が単なる恐怖とは違っていることを印象づけていることも大切だろう。

 だけど、「ガメラは悪い奴じゃないんだ」というのが、どうもこの映画を中途半端な位置づけにしてしまった感じだし、冒頭のイヌイット(劇中ではエスキモー)がどう見ても日本人にしか見えないとか、アトランティスが北極にあるとか、少々気になるアラも多い感じ。ガメラの登場もあまりに早すぎて、ちょっとサービスしすぎかな?

 『ゴジラ』の対抗作品としてではなく、単体でかなり水準が高い作品なので、是非鑑賞をお勧めする。

(評価:★4)

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