一応物語は前作『ゴジラVSキングギドラ』の続きとなり、オーバーテクノロジーを手に入れた人類がゴジラに対して反撃を企てると言う形を取る。しかし、ゴジラに対し、メカゴジラとは何とも芸がない。鮎の友釣り作戦とでも言うべきか？

　それにしても旧作『ゴジラ対メカゴジラ』に登場した時と較べ、メカゴジラは遙かに不細工。この姿は旧作の冒涜とさえ思えるぞ。それに、たとえそれがロボットであっても人間が怪獣を使役してしまっては、怪獣の方が可哀想すぎ。

　そもそもメカゴジラの存在意義そのものを勘違いしているのが致命的。ゴジラに対して“メカ”ゴジラであるなら、ゴジラより遙かに強いイメージを与えねばならないはず。しかるに本作のメカゴジラは人間が作ったもので、最初からゴジラには敵わないものとしてしか印象づけられなかった。

　姑息にもラドンやリトルゴジラを出して、怪獣同士の精神的なつながりとか、メカゴジラをパワーアップさせたりしてるけど、これだって小手先のごまかしでしかない。

　今回初登場となるリトルゴジラだが、ミニラ？と期待半分、恐れ半分で見守っていたところ、まるで違うのが出てきてしまった。メカゴジラとリトルの不細工のダブルパンチを食った感じ。大体突然変異種であるはずのゴジラがもう一匹生まれる確率は極めて0に近いと思うが？

　最初から致命的欠陥を持っていた作品なので、元が悪ければどんなにゴテゴテ着飾って見せても、地が悪ければ悪い作品にしかならないことを教えてくれる作品でもある。