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[コメント] 少林寺三十六房(1978/香港)

修行があれば誰でも強くなれる!と思わせてくれるのが最高に気持ちいい作品でした。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 香港で功夫映画のブームが起こった際、多く作られたのが少林寺を舞台にした作品群。数多く登場したが、その中で完成度が最も高く、少林寺ブームを作り上げたのが本作。

 本作の最大特徴は、物語性ではなく、話の中心をひたすら修行風景に持っていったと言うこと。勿論フィクションではあるが、少林寺には35の修行場があって、それを一つ一つクリアしていく主人公の姿には燃えるし、最後に新兵器である三節根を編み出すと言った、物語展開も実に楽しい。

 この作品で最も重要なのは、誰でも修行によって強くなれる!という思いを観ている人に抱かせてくれると言うところかもしれない。例えばヒーローであるブルース・リーなんかの場合、「ああなりたい」という思いを抱かせてくれるが、同時にあれは特別な強さを持った人物だから、真似することしか出来ない。と思えてしまうものだが、本作の場合は、「ひょっとしたら修行したら私も強くなれるのでは?」という思いを抱けるところにあると思う。事実、これがテレビで放映された翌日の小学校では、昼休み時間に机を並べ替えてそこを渡る訓練をしてたり、急に腕立て伏せとかやり始める学友で溢れたものだ(人ごとのように言ってるけど、私だって実際に弟を相手に組み手みたいなことまでやったんだし)。

 実際本作は、あの延々とした訓練風景が無ければ他の作品と大差はなく、数多い少林寺ものの一本に過ぎなかっただろう。しかし、あのユニークな訓練こそ、本当に心を熱くさせるものがあったのだ。

 本当に「熱くさせてくれる」映画ってのは世の中には結構あるものだ。と今でも思わせてくれる貴重な作品。

(評価:★4)

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