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[コメント] トゥー・ブラザーズ(2004/英=仏)

自然破壊ばっかやってる人間が主役の作品になってしまった感じです。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 映画界には変なジンクスがいくつかある。その内の一つに「ネタが無くなったら動物を撮れ」というものがある。お陰で動物映画のあるなしが映画界の活気を見る一つのバロメーターとなっているのは確か。出来の如何に関わらず、動物を主題にした作品が大作映画として作られると言う事は、その年の映画界は今ひとつ活気がないという事になる(邦画でも長らく邦画興行成績トップだった『南極物語』(1983)が作られた時は結構冷え込んでたし、『子猫物語』なんてのもやっぱり活気がない時に作られたもんだ)。

 それでこの作品が作られた2004年はどうだったか?と考えてみると、この年は邦画の質がどんどん上がっていき、良質の邦画が量産されていた時期ではあったが、逆にハリウッド大作はコケてばかり。一応世界的に見るならやっぱりジンクス通りだったかも知れない。

 それで本作だが、大作として作られていたのは確かで、作品自体も大変力が入ったものだったが、なんというか今ひとつ乗り切れない印象。簡単に言えば主題が古すぎる感じがしてならないということ。要するに人間の都合良いように動物を使っておいて、それをあたかも「感動するでしょう?」という感じで出されてしまうと気持ちが萎える。この二匹の虎って要するにどっちも人間に飼われていて、人間の方が都合が悪ければ殺してしまおう。ってだけの話にしか見えないのがどうにも困ってしまう。

 流石に美しい絵を撮るアノー監督らしく、画面画面は綺麗だし、虎も綺麗には撮れているのだが、物語にはまれなかったのが致命的。それに人間側がやってる事って全編を通して単なる自然破壊だけだったし。

 流石に本物の虎を使うのは大変だったらしく、本作では30匹の虎が使われたが、危険のため、スタッフは檻の中に入って撮影したとのこと。

(評価:★2)

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