しかし、これは皆様も仰っている通り、非常に「くわぁ〜〜惜しい!!」という感じの映画ですね。同じスティーブン・キングの『スタンド・バイ・ミー』を彷彿とさせるところがありますし、この映画は名作に成りえたと思います。この内容だと、テッドの能力が何の為にあったかがよく判りません。ボビーが能力を使えなくなった事で、アトランティスが沈んでしまったのかな…と思わせるところは良かったのですが…。お母さんが憎たらしいお陰で誤魔化されそうですが、テッドとボビーの交流がやはり少ないです。ここがもっとしつこいぐらいに書き込まれていれば別れのシーンが際立っただろうし、展開にメリハリもできただろうし、大号泣だったんじゃないかと思います(それでも泣いたけど)。テッドが来た事によって何が変わったかがもっとあれば良かったですね。そうしたら大人になったボビーが過去の感傷に浸るシーンにだってもっと深い感動があったのでは…。『スタンド・バイ・ミー』のような思わず子供時代のしょっぱい事を思い出して涙が出るような感じになったなら素晴らしかったんですけど…本当惜しいです。

それでもこの映画、そんなに客が多くなかったとはいえ、エンドロールが終わるまで誰も立ちませんでした。そして、終了後に拍手をした人もいました。いい話はいい話で、いい映画なんですよね。ただ書き込み不足のところがあったのが本当に惜しいですね。あ〜〜、本当惜しい……

最後に…。子供の頃の思い出って本当にゆらゆらしていて、今思い出すと、正にこの映画の映像のように優しい光に包まれている感じがします。まるで夢のようで、それが本当にあった事なのか、もしかしたら幼い頃に夢の中で体験した事なのか判らなくなって、考える程に気が遠くなります。テッドの言う通り、本当にアトランティスは幻の国。夢のようにゆらゆらしていて曖昧で今考えるとたった一瞬の出来事。題材は本当いいですよね…。ああ、惜しいわ〜〜(まだ言う)