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[コメント] バットマン ビギンズ(2005/米)

今度のバットマンには本当に抱かれたいと思った。ベールの肉体に、演技に、大舞台に悶絶死寸前!!
ミュージカラー★梨音令嬢

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







映像のインパクトや世界観はバートン様にはまるで敵っていない。見てて心地がいいのは確実にバートン版の方(シューマッカーのも嫌いではないが)、あの何か起こりそうな荒廃した街の映像にエルフマンの音楽、そして役者達の怪演。く〜っ、たまらん!!

だが、しかし、今回のバットマンは何か違う!そう、バットマンが良い男だ!!しかもベールだ!!

これだけ言うと、顔しか見てないみたいで嫌なので全体的な評価を。

今回はバートン版程クセがなく、シューマッカー版程色味もない。だが面白い。『キャットウーマン』並にバットマンになる迄はかなり長かったが、ブルースが己の闇を越えて取り込む過程には自然と引き込まれた。バートン版の流れを決して崩してはいない感じ。むしろ、それまでは金持ちの道楽でやってるんだろう的な思いしかなかったが(というかこれまでは軽かった、そこがいいんだが)、これでブルースに対する認識も変わり、新バットマンにすんなり入れた。ノーランの闇に対するアプローチはバートン様の“楽しげ”な感じとは真逆の“恐怖”であったが、それ故に物語全体に前作を払拭するぐらいの凄みと色が出たかと。

いやいや、そしてキャストですがね。まさかベールがやるとは!あーんな、クソ真面目そうでガチガチのストイックなアイルランド系の彼がよもやアメコミの主役をやろうとは!畜生!カッコイイじゃねーか!彼は何も知らないボンボンも、闇に打ち勝った変わった金持ちも、見事に演じ分けた。ホントに彼の演技力には脱帽!しかも、あの肉体も生かされてたし、夜のビルの上に立ってる姿も興奮もののカッコ良さ!もう言う事なしだ!!確実にジョージ・クルーニーヴァル・キルマーなんかより全然魅力的だね!ヴァルに至っては金持ち感0だ。しかし、最後のリーアムとの闘いはちょっと頂けず。あんな目まぐるしく場面変わったら折角これまでにない肉体派バットマンの体術が見えないだろうが!ノーランめ!!

他のキャストもよかった。マイケル・ケインのアルフレッドの表情は優しくホロリとさせられたし、モーガンはいつも通り脇役として程よい存在感。ゲイリーなんか言われなきゃ判らないぐらいいつもの怪しさを消してて見事なもの。本当に全然判らなかったもんな。あと意外に良かったのがキリアン・マーフィー。ガラス玉みたいに目の色が怖いくらい澄みすぎてて、イっちゃってる役には適任だった。彼もバットマン候補だったらしいが、彼の尋常でないバットマンも見てみたかった気もする。次回作には出ないらしいケイティは役自体大した存在感もなかったので、容姿のある女優ならできそうな感じだった。謙さんはまぁこんなものかと。

前作までの毒はなくなったが、これは別アプローチとしてもエンターテインメントとしても十分楽しめた。キャストもかなり良かったし。バートン版へのつながりも(それともまた新しく作ろうとしてるのか…?)嬉しかった。これは次回も期待ができる!今から楽しみでたまらない。

(評価:★5)

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