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[コメント] ヴェラ・ドレイク(2004/英=仏=ニュージーランド)

後半はヴェラの心にそのまま触れてしまったような圧倒的な迫力にさらされた。
なつめ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







口に出そうとしても出すことのできないヴェラの様子には胸が苦しくなる。女性警察官の慈悲深いまなざし(ヴェラに拇印を押させるときに目に涙が一瞬光る)が印象的だった。

仲介役の女性がお金を得ていたということを知り、彼女の聖なる行為が一気に罪へとおちてしまったような気がした。彼女自身も、救いとしての行為だからこそお金のことなんて考えたこともなかっただろう。

処置を行っているときは、ただただ救っているという気持ちしかなく、捕らえられて初めてそれが罪であることを“発見”したかのようなヴェラ。というより、であることを頭では知りつつ、行動せずにはいられなかった心。そして取り調べの刑事が看破してしまった彼女の過去に私たち観客は気付く(そして、たぶん、夫もそれは知らないのではないだろうか)。その重さ。

映画は、良い悪いを問うていない。ただ描写しただけ。眺めるのは簡単だ。しかし、深いところに切り込んできた。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ガチャピン[*] あちこ[*]

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