[コメント] ターミネーター3(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ジェームズ・キャメロン御大は、『エイリアン2』の終わりを無にした『エイリアン3』を無かった事にして続きを作るそうな。
お願いします、「よくあるアクション映画」の出来である本作も作り直して下さい。
■ジョナサン・モストウ悪条件の下、及第点の出来■
完成度の高い前2作。そもそもジェームズ・キャメロン御大は、2で完結している故に3のメガホンをとらなかったとか。
ターミネーターというブランドを引っさげて、収益は保証されるものの、ターミネーターを失敗させた監督として烙印を押されるわけにはいかないと言う事で、プレッシャーはあったはずだ。『U−571』だかO−157だかは期待外れだったが、『マトリックス』とは一線を画した骨太アクションはターミネーターらしさが出た。
クレーン車がブームを横向きにして、電柱をなぎ倒し店鋪やクルマを破壊しまくり暴走するシーンでは、ターミネーター達が巻き込むものを意に介さないど迫力。取っ組み合い状態で壁をも突き破るパワーとパワーのぶつかり合い。これこそが、ワイヤーアクション全盛の現映画界にあって見直されるべき肉弾(?)ぶつかり合いアクションであり、こういう古いタイプのアクションが心地よい。
前2作が「ターミネーターの追跡を逃れる→サラ・コナーもしくはジョン・コナ−が救われる→人類が救われる」このパターンだったが、3作目もこのお約束パターンを踏襲するの?と高を括っていた。見事いい意味で期待を裏切ってくれた。「2でサラ・コナーがした事はなんだったの?」とも言いたいがこれはこれで衝撃的なので私的にはOK。
・・・とここまでは誉めましたが、
■T−Xが女である必要がどこにある?■
プロデューサーのアンドリュー・G・バイナ氏曰く「T−Xは女である正当な理由が有る」
さて、映画を見る限り「女である必要がない」。
女だからお色気戦術とかのひねりとかも無い。それどころか液体金属の特徴も生かされてない。右手に隠されている1億の武器もちょこっとしか出てこない。
ターミネーター同士の取っ組み合いは良かったが、最新式なのにT−850と互角で闘っておりT−1000より弱い。また、T−Xをどう料理するかが楽しみのひとつだったはずなのに、スタッフが考えつけなかったのが情けない。
■人間側の設定と配役に難あり■
まず、主人公君がダメダメだね。君の演技の実力が追い付かないとかそーゆー問題じゃなくって、設定からしてのターミネーターの主人公を張るには荷が重い。ターミネーターと同等の存在感があったのがリンダ・ハミルトンであり、ウーマンパワー炸裂のサラ・コナーの足元にも及ばない。
大体にして、未来の人類を率いるジョン・コナ−も鼻の穴剥き出し下がり眉毛で情けない猿顔のニック・スタール君。エドワード・ファーロングだったら今頃イケ面だったろうに、と思いきや麻薬中毒で出演不可能状態らしい。
未来のターミネーター軍団vs人間も、ニック・スタール君がそのまま歳をとったジョン・コナ−に焼き直されていたけど、ここでも膝カックンですよ。
■T2の矛盾点を解決したというが、腑に落ちない事が多い■
1.T2ではT−800の腕が残っていた。だがチップを破壊したので、未来は変わったはずだった。ところが、T−850が述べた「審判の日は防げない。延ばせただけだ。」の一言で片付けられてしまっている。
2.T−Xが見てないところでパトカーが遠隔操作されていた。これは不可能じゃないの。
3.未来の抵抗軍の幹部がジョン・コナ−の旧友だらけ。それじゃあ審判の日にほとんど核でやられているよ。
4.サラが棺の中に残した銃器を運び出すシーンは、サラの「2」以後を語るだけの存在。
5.動物病院で働いているケイトが、銃器を易々と使いこなし、セスナを操縦してしまうとは。
6.T−850が核シェルターに誘導したのは合点がいくが、ケイトの父がクリスタルピークを教えたのは合点がいかない。父が娘を生かそうとした機転か?
■T4について■
スカイネットvs人間のってな図式だろうけど、
シュワちゃん続投は知事の件、年齢で無理だろうな。
対してクリスタナ・ローケンはブレイク間違い無い。
T−Xが女である必要がどこにある?ってな発言したけど、今後はT−Xを捕獲して(無理だな)味方に改造して、味方ターミねぇちゃん役を彼女にするってのどう?
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