[コメント] トンネル(2001/独)
1945年8月16日、北海道の北半分を要求してきたスターリンにトルーマンは拒絶した。かくして米英中ソ(仏)による日本分割統治案は消滅した。
痛みが現実にならなかった我々には、ベルリンや朝鮮半島の本当の痛みはわからない。(沖縄・小笠原はアメリカ製の低い壁だった)
本作のドラマ部分をもってして、その「痛み」の描写が不足であるというのは酷であろう。この作品を鑑賞するにあたって、事前の予備知識とまではいかなくとも、アノ国で何があったのか程度は知っておくのが礼儀である。東独警備兵に射殺される亡命者のニュースフィルムを思い出すだけでもよい。
痛みが現実にならなかった我々は、分断される危機に立ちながら免れた唯一の民族である。札幌のススキノに鉄条網と壁が立ち塞がる光景を、世界で最もイメージし易いはずではないのか?
PS:本作は長尺ということもあって、人物のキャラも良く立っており、娯楽作品としてのサスペンスも合格点。さらに様々な登場人物たちの悲劇が盛り込まれるなど、「映画」としては個人的に満足しました。
ただ、実話としての整合性は毎度のことながら、「娯楽映画」なんですから「まっ、そういうこと」でよろしいんではないでしょうか?
PS:キッチンでのあのシーンは、やっぱり必要なかった気がします。そうすれば家族で見れたものを・・・
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