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[コメント] ファインディング・ニモ(2003/米)

いいおはなしだとは思ったけれど、予告編で多くが語られており、それ以上の感動は無く残念。どうも気になるのは、ミクロの世界とマクロの世界を曖昧にしていたところ。
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







海の中でミクロの世界とマクロの世界の生物は、流れる時間が全く異なると思う。例えば、珊瑚礁のクマノミが1箇所に定住し1日単位で生活を営むのに対し、回遊魚は何日も掛けて大洋を大移動する。日本の浦島太郎の御伽噺はこのような海の神秘性から着想を得ていると言え、時間の流れの遅い竜宮城は、珊瑚礁が何十年もかけて少しずつ成長するように、ミクロの世界に繰り広げられるのんびりとした生活の流れを描いていたようでもある。

クマノミというミクロの住人がマクロの世界に挑む本作。マーリンの家族愛と大海への冒険、そして未知なる生物との出会いはよく描いていたと思うが、断片的の感があり、そこに流れる時間までは表現できていなかったようだ。

本作でも海流などの映像で時間の流れが変わったことを表現しようとしていた。しかし、ニモの水槽と同時進行させたためか、時間感覚は、ミクロとマクロが繋がったままとなってしまい違和感が残った。例えて言うなら、ミクロコーナーとマクロコーナーとで分けて設置された「水族館」の水槽を両目で眺めているような感じがした。

せめて、常套手段ではあるが、シドニー到着時点で「何日後」とテロップを入れたり、水槽のニモの表情やオレンジ色の濃淡などにより生気の衰えを表現するなどして、珊瑚礁、大海、水槽のそれぞれの時間の流れを演出してほしかった。

(評価:★3)

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