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[コメント] キングコング:髑髏島の巨神(2017/米)

戦争の記憶
ぱーこ

最近のアメリカ映画は70〜80年代の焼き直しが多い。このキングコングも既視感あふれる設定だ。冒頭の日本兵とアメリカ兵の一騎打ちは太平洋の地獄(1968)だし、太平洋戦争の終結をしらない生き残りという設定はグアム島で1972年に発見された横井庄一のエピソードそのままで、日本刀で怪獣と戦うということからしてどこかしら日本リスペクトの雰囲気を出している。途中使われるジギースターダストは1972である。 加えて米軍の様子にはベトナム戦争(1975終結)の記憶がにじんでいる。銃を捧げて川を渡るシーンなどは地獄の黙示録でよく見た。トカゲ怪獣はどこか地獄の使者の容貌をしている。部下の仕返しを命をかけて敢行するという使命感が人間ドラマの骨格でこれを黒人の大佐が担っている、というのがアメリカ映画らしい。アジア人は民間人女性で白人は太平洋戦争の生き残りや民間人科学者である。 というようなあれこれがアメリカ映画を見ているときの醍醐味で、このキングコングもそれを良く表していた。戦争のイメージが強すぎて、肌も露わな美女は不謹慎と思ってやめたのだろうか、残念だった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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