[コメント] レッド・ロケット(2021/米)
性懲りのないクズ野郎(サイモン・レックス)の夢想は、テキサスの底辺女たちと持ちつ持たれつの危うい協業で復活し、ひとりよがりのバブルとなって膨張する。そんな根拠なき自信にあふれたマチズモが女たちによって文字通り素っ裸にされる。嗚呼、滑稽なり。
白日のフリチン。
とはいえ、この男が"お仕置き"を受けたとて、彼らの錆びついた明日なき事態はなにも好転していないのだが・・・。ヒラリーのカラ元気とトランプのだみ声が空しく通り過ぎていく。
この男が生業(なりわい)としてきたポルノ俳優は、何らカタチのあるモノを作りも売りもしないという点で虚業なのだろう。その男が才を発揮する大麻販売はリスクをとってモノを流通させているから(怪しいとはいえ)実業だろうか。どちらにしろ、この男と女たちの仕事には「労働」が存在しなないのだ。
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』で子供たちに注いだ視線とは一転、ショーン・ベイカーとクリス・バーゴッチの働けないのではなく"働かない者"に向ける皮肉は手きびしい。
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