[コメント] チャンシルさんには福が多いね(2019/韓国)
ふんわかした邦題が的を射ていていいです。突然、先を見失ったチャンシルさんは、偶然か必然か娑婆を離れて丘の上の一軒家に移る。そこは非難所だったのかもしれない。失った“福”を悔やむのではなく、かつて抱いていた可能性としての“福”の断片を感じること。
立ち止まることの肯定と、その効用。長い人生のなかのでの「停滞」とは、勢い任せで止まらなくなった「生き方を」見直すための強制モラトリアム期間なのかもしれない。まだチャンシルさん自身には、先の希望は見えていないようだ。でも、私たち観客には丘を下る彼女の姿に“福”が見えた、ような気がする。
バタバタしているようで、どこか飄々としたアラフォーのチャンシルさんを好演するカン・マルグムイがチャーミング。
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