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[コメント] 海辺の生と死(2017/日)

その恋は一瞬にして点火し熱を発散させながら空襲(死)の気配のなか発火する。南の島の熱気と湿気をふりまきながら、そんな女の心情を満島ひかりが体現し尽くす。理性のタガがはずれたように本能のままに男にすがり続けるクライマックスの夜の浜辺のは圧巻。
ぽんしゅう

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







少し乱暴な言い方だが、どんな戦争にも、ただ一回だけ喜ばしい瞬間がある。それは、いつか訪れるはずの「終戦」の瞬間だ。この物語も「終戦」を機に様相が一変する。その瞬間から物語は呆れるほどの明るさを取り戻す。

さまざまな「終戦」を描いた映画を観てきたが、ここまで死者への悼みや安堵の涙を一切無視したポジティブな終戦描写を観た記憶がない。その徹底ぶりにあっ気にとられたてしまった。

戦時下の恋に仮託して描かれるるのは、自ら命を捨てることの無為。想いの熱量は一瞬にして“理不尽な別離”を過去の出来事に変えてしまう。その先には未来だけがひらける、のだ。この徹底した恋愛の純化ぶりはすごい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)寒山拾得[*]

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