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[コメント] 妻への家路(2014/中国)

忘れてしまいたいことと、忘れられないこと。葛藤の末、妻の時間は止まり、夫はカタチを失くしたのだ。残ったのは純化された愛のようなもの。夫も娘も、妻とともに待ち続ける。三人はいったい何を待っているのだろう。あの橋の向こうから何が来るというのだろう。
ぽんしゅう

失った膨大な時間。信頼。人心。プライド、あるいは屈辱。醜い傷あと。それとも過去ではなく、すべての未来、かもしれない。消された自分を延々と待つ自分。「愛のようなもの」を手がかりに葛藤は続く。待ち続けるということは、そういうことだ。

これは不変の道理だ。罪な過去の、遠くない歴史に、彼の国の人の良心は、まだ痛み、うずくのだろう。

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