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[コメント] マル本 噂のストリッパー(1982/日)

「蛍の光」を聴きながらSEXする女に愛はあったのだろうか。スポットライトのなかSEXを見せる女に愛があるはずもない。舞台で踊る女が憧れたディスコで踊る女もまたしかり。愛なきひと夏をさすらう青年(宮脇康之)の切ない純情は、振り出しにさえ戻れないだろう。
ぽんしゅう

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







〔注〕以下、『の・ようなもの』のネタバレも含みます。

洋一青年(宮脇康之)は分不相応のストリッパー(岡本かおり)に憧れて相手にされず、行きずりの女(太田あや子)と恋人関係になるが、憧れのストリッパーが忘れられず恋人と別れてしまい、最終的にはすべてを失う。このプロットは前年に作られた森田芳光のオリジナル脚本作品『の・ようなもの』と鮮やかに表裏をなす。

「の・ようなもの」はこうだ。売れない青年落語家(伊藤克信)は分不相応にも風俗嬢(秋吉久美子)から愛情を寄せられ恋人関係になるが、落研の女子高生(麻生えりか)にも好意を持ち、風俗嬢に別れを告げるが風俗嬢は意に介さない。やがて風俗嬢は落語家に好意を持ったまま、傷つくこともなく彼のもとを去り、女子高生とのほのぼのとした恋愛関係も続く。

当時、30歳の森田芳光にとって「の・ようなもの」の男女関係が最高の理想。「マル本 噂のストリッパー」が、最低最悪の悲劇だたのでしょう。結構、ご都合主義で「自分が一番大事」的な、分り易すぎる人だったのかもしれません。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ペペロンチーノ[*]

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