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[コメント] この世の外へ クラブ進駐軍(2004/日)

ひとを殺しに行くためには「国歌」という国家の、そして殺されに行くためには「ダニー・ボーイ」という母なる無垢な愛の後ろ楯が必要なのだ。戦争を知らない世代である阪本順治が描く殺し殺されることによって個人が受ける心の傷のイメージに共感する。
ぽんしゅう

一見、自由奔放に振舞いながら進駐軍という組織の中にいる米国人たちと、傷を負いながらも野に放たれた日本人たち。本当に自由になるというのは、何から自由になるということなのか。自由のために戦うというのは、何とどう闘うということなのだろうか。

やはり自由というのは幻想なのだろうか。幻想だからこそ、永遠に追い求めなければならないのかも知れない。それが戦わないということなのだと思う。

私はこの「青春の友情劇」を「訳知りの友情劇」にすることなく「迷える反戦劇」にした阪本順治の真摯な態度を支持する。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)sawa:38[*] ことは[*]

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