[コメント] 蒲田行進曲(1982/日)
天才のサドっ気と凡才のマゾっ気が互いに絡み合うことでスター或いは映画という「虚像」は拡大される。これを単に「回顧」することは即「映画の幕引き」を意味するが、執拗な深作演出はそれを許さなかった。稀代のサディストが「才能の一億総中流化」時代に放った寝覚の一撃。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ハッピーなラストは原作と異なるようだが、映画ならではの演出、本来胡散臭くあるべき興行魂の発露ということで好感が持てた。風間杜夫は舞台や日活ロマンポルノで活躍する草の根俳優の一人であったが、そういう実像を持つ彼が往年の若手時代劇スターを嬉々として演じる様に、いいようのない可笑しさと悲哀を感じることが出来る。この映画の彼が好きな方は是非神代辰巳監督の『壇の浦夜枕合戦記』をご覧になってね。風間の義経が好き放題やってます。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。