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[コメント] つみきのいえ(2008/日)

ディズニーの短編で「小さな家」っていうのがあったでしょ。あの映画を思い出しました。
chokobo

**ネタバレ注意**
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素晴らしい短編でしたねぇ。この監督(脚本家かな)はとても優しい方なんでしょうね。きっと。そして自分自身も同様の経験をしてるっていことなんでしょう。大変情緒表現が美しく、老人の猫背の角度も極端で、その悲哀なイメージが上手に描かれていますね。短編なので、短いのですが、内容はとても濃いですね。

これは明らかに『不都合な真実』からインスパイアされているんでしょう。温暖化によってこの街は水没したんだと思いますね。そしてこの街のほとんどの人達が街から避難したのに、このおじいさんだけは街に残る。そして水没するマンションにどんどん上積みして、どんどん高くどんどん小さな間取りの部屋を組み立ててゆく。

そんなおじいさんがこの街から離れられない理由は、やはり亡くなったおばあさんや自らの幼いころの思い出が忘れられないからなんでしょうね。

小さい頃からこの街で過ごしてきたおじいさんの気持ちとしては、忘れられない思い出にすがっていたいということなんでしょう。

冒頭にも書きましたが、ディズニーの短編に「小さな家」という作品があって、自分の子供がまだ小さい頃、何度か拝見しました。あの短編も同じように周囲の環境から取り残された小さな家のお話でした。

ただ、あの短編は家が主役だったのですが、この作品の主役はあくまでも人です。そして「小さな家」は周囲にビルが立ち並び、自らが没する状態になってゆく悲しい姿を印象づけていますが、こちらの作品は”つみき”としての家が中心になっていますね。

家がつみきだなんて、素晴らしい発想ですよね。子供の頃誰もが経験した積み木遊び。それがそのまま本当の家になっているなんて、なんて素晴らしい発想なんでしょう。この発想に感動してしまいました。

2010/01/24(自宅)

(評価:★4)

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