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[コメント] つみきのいえ(2008/日)

ごく平凡な詠嘆を相対化させてロバート・シェクリイの名短編を想起させる。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







無論、地球温暖化の寓話だ。本作は水没により被った被害を一切描かない。妻子は被災して亡くなったのかも知れないし、老人を置き去りにして逃げたのかも知れない(娘夫婦はまだ亡くなる年齢じゃなかろう)。しかし、老人は老人らしく頑なに、幸福な記憶のみを特化して回想する。生への意志の逞しさと追慕の美しさが刻まれてあるが、しかし同時に老人の頑迷を読み取ってもいいだろう。それは作品の外延をシニカルに取り巻いている。

シェクリイの「夢売ります」が強烈に想起される。

(サイレント版のみの感想です)

(評価:★4)

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