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[コメント] Death Note デスノート 前編(2006/日)

えっ!もうデスノート使っちゃうの!?
Youichi

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







映画「クロスファイア」「あずみ2」などを手がけて来た金子修介監督作品だが、この監督は本当に原作を読んでいるのかとさえ思えた。全く別の物語として作ってしまってもそれはそれで全然構わない。むしろ映画ならではの脚本・演出、音楽、CG・SEなどで「これが俺達の作ったデスノだ!」と胸を張って言えるスペクタクルを見せて欲しい。しかし原作ファンならば押さえる所はしっかりと押さえないと。

心理描写が薄っぺらなんだよなぁ。人二人を殺してしまった事に対する夜神月の苦悩、FBIを殺された事に対するLの怒り、キラに対する思想、そういった心理描写が全くされず、ただ原作の台詞と行動をはしょって物語がスピーディーに進んでゆくから、どのキャラにも感情移入しにくかった。こういった作品における観客の感情移入はそれぞれL派、キラ派と分かれるものだと思うけど、いずれかに共感するための心理描写を悉くスルーしていたため、単なる刑事モノに成り下がってしまった気がする。

レイ殺害後の進み方はオリジナルだったわけだけど、「レイが電車の中を必死に見ていたのはそこにキラが居たからだ」と断定してしまったLの推理にはさすがに無理があるし、南空ナオミがキラ殺し証明のために夜神月を呼び出したのも随分と強引(これは結局ノートによる操りだったわけだが)。そもそも「キラは顔と名前が分からなければ殺せない」事実をナオミはいつどこで知り得たのか? ナオミがピストルを所持している事を月は一体いつ知り得たのか?などなど、その辺り随分と粗が目立った。 あと気になったのは「夜神家の監視カメラはLと部長が監視します」とか言っておきながら、3日目辺りから、ちゃっかりと後ろからモニタを覗いている松田刑事達。誰も突っ込まないのかよ!

詩織の敵討ちのために捜査本部へ…っていう月の計画もいちかばちかだなぁ。ナオミの本名を調べるために結婚式場であれこれ動いたりすると余計疑われると思うんですけど?(笑) あと映画で「他人を操って人を殺させる事は出来ない」ルールとか「行動に無理が生じると心臓麻痺」ルールとか触れてたっけ? そこ事前に説明しておかないと原作未読の人には月の計画が「?」な気がする。

藤原竜也の演技は予想以上に良かった。「バトルロワイヤル」の頃よりも格段に上手くなってる。冷たい笑い方に時々ぞくっとしたし。原作とのキャラの違いには違和感を抱いたものの、別物として考えて見ると、これ以上の適役は無いんじゃないかと思う。 L役の松山ケンイチは若干力不足。「Lを演じてます」臭がプンプンするもんなぁ。ポテチを食べながら現れたシーンは悪くなかったけど。前編では活躍の場が全く無かったし後編に期待か。

……あとさ、別に悪くなかったんだけど、津川雅彦と鹿賀丈史はどう見ても腹黒です!(爆)

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)死ぬまでシネマ[*] HILO[*] くたー[*]

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