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[コメント] クレイマー、クレイマー(1979/米)

裁判終了後〜ラストへのダスティン・ホフマンが実に素晴らしい!! そして細やかな演出が本当に素晴らしく、物語・特にラストシーンに見事な説得力をもたせている。アカデミー賞5部門受賞は伊達ではないこれぞ名作!名演!
nob

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







大抵の凡々とした映画の演出においては、裁判後の「嫌だったら帰ってきていい?」のセリフで父親も大泣きさせてお泪頂戴とするのだろう。 しかしどうですか、このダスティン・ホフマンの颯爽とした表情! 格好良すぎです。

「いつも一緒に入れなくなったって、もう自分の愛情は決して変わるわけがないんだ」

そんな自分への自信に満ち溢れた、一個の「親」としての姿がそこにある。

子供が連れて行かれようが連れて行かれまいがもはや関係無い。

大事なのは自分の「寂しい・悲しい」という気持ちではないから。

その証拠にブザーが鳴ると自分の気持ちに整理をつけて応答するのではなく、子供に応答して良いかを尋ねた。

子供を一人の人間として尊重するこの演出が実に素晴らしいと思った。

そして思う、こんな親でありたいと。

エンディングでは、映画の冒頭にボロボロの表情でエレベータを一人で降りて家庭を置き去りにした母親が、今度は会心の笑顔で子供・家庭のもとへエレベータを上って行く。

こんな映画はやっぱり名作と呼ばれるに値する!

(評価:★5)

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