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[コメント] 暗殺(1964/日)

血まな臭い時代の中で抗う男たちの惨状。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







博識と剣技をあわせ持ちながら物事を強引に押し進めようとして疑いと反感を買う清河は幕末の奸勇と云え、丹波哲郎にうってつけ。清河は大義に立志した筈だが、才に溺れ策に溺れる。そのカリスマのなさが佐々木につけ込まれ芹沢の離反を引き起こすというのがどうしようもなく人間臭い。『オール・ザ・キングスメン』を思わせるアイロニー。

対する佐々木はこれまた清河に完全に格負けしたショックから復讐の鬼となるどうも情けない男(木村功)。志士の大義、激動の世界などには目もくれずに蒙昧な執念で最後には清河を不意討ちで切り捨てる。その時の返り血を浴びて晴れがましそうな顔。

歴史の真実とはかくも虚しき惨劇の積み重ねよ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)シーチキン[*]

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