なぜ『ST2』などという忌まわしい題名を連想したか。あの映画は特撮しか能のない人間の為に用意された低予算映画であった。結果、低予算の特撮が致命傷になった。

さて本映画には物語展開など全くない。ただ只管トランスフォーマーたちが戦闘し続けるだけの映画である。目を見張るCGを駆使し乍らそれに「飽きる」とは「飽きさせる」とは…、こんなに醜悪な作品もないだろう。

結局これは巨額を投じた自慰映画に過ぎないのだ。『ST2』には金が無かったが、これを観て金があるのも問題だと痛感した。結局自慰野郎に映画を創らせてはいけないのだ。

シャイア=ラブーフはインタビューに「今回は恋人、親子のドラマもあるエモーショナルな」作品になっている、と答えていた(大意)。どこがだ。どこだよ、それ。

大真面目に繰り出される米軍、最初はプロパガンダかと思ったが、「終わって欲しくても終わらないのが戦争だ」と言わんばかりに延々と続く戦闘シーンに「これは悪いジョークか？」と思い始めた。エジプトとヨルダンなぞ同じだと言わんばかりのアラブを冒涜しきった展開(アカバ湾からペトラ遺跡までだって100kmもあるのに！)。結論はただ自慰だった訳だ。そういった意味で、俺は『ST2』には☆3点をやったがこの映画にはやらない。