アメリカ国民が最も好きな映画のジャンルはコメディで、製作本数も全ジャンル中一番だと何かの本で読んだ記憶がある。しかし、アメリカのコメディは本国で大ヒットしても日本ではイマイチ興行成績が芳しくない事が多い。この作品も、かなり面白いのに日本では未公開でビデオ発売のみだった。笑いの感覚が違うのだろうが、こんなに素晴らしい作品を公開しないなんて非常にもったいない話だ。日本では最近、若手芸人に体を張らせたり、貶めたりして笑いを取るコメディが氾濫し、良質な笑いが少なくなってきているように思う。また、勤勉な国民性からか、伝統的に「笑い」を一段低く見る傾向があるようだ。だが、人を感動させたり、泣かしたりすることよりも、人を笑わせる事のほうがはるかに難しいのである。この作品はスティーブ・マーティン＆エディ・マーフィーのゴールデンコンビで笑いの質は言うに及ばず、鑑賞後に暖かい気持ちになれるというアメリカン・コメディの王道を行く作品で、 もっと知られていい映画だと思います。