賞とって連日の報道も効き、場内は平日なのに激混み。 ヤなかんじで否定的な先入観もって見たためか、あまり楽しめなかった。

中身は可もなく不可もなく。 というか娯楽に徹しているようでイマイチ燃えない。 殺陣はなかなか魅せるが、役者の動きより派手な効果音と 流血のCGに助けられている。 これならチープなＣＧで逆に味が出た「殺し屋１」の方が潔い。 勧善懲悪は良いにしても、人情ドラマがやや薄味で笑いもトンがってはいない。 期待した浅野の用心棒にも感情移入できず・・。

オープニングから音楽が垂れ流しになり、大楠道代がヤクザの悪事を延々と嘆くところでもうダメダメな空気が漂う。そんなことセリフ使わず映像で説明しろよ！ってかんじ。昔の省略法使いまくりだったイキの良さはどこへ・・。

たぶん、いつまでも長回しや引いた画を求めてしまう自分が悪いのだが。 もっとヒリヒリするような凄みを求めてしまうのはお門違いなんでしょうか。 個人的には、北野映画は「ソナチネ」でピークを迎えてからは 「HANABI」以降はズルズル落ちているかんじ。 同じ地点にとどまっている人ではないと思うが、もはや異端を走っているようなパワーが感じられないのが残念。