もちろん接見室でのタイマンバトルは息もつかせぬ緊張感で圧倒されたんだけど、一番鳥肌立ったのは、ラストで重盛が歩く宅地で風がスーッと吹くでしょ？木々がそよいで。

「えっ！タルコフスキーなん？」うわーっってなった。

日常のリアリズム的な是枝監督が鳥とか十字架とかメタファー散らせまくりでゾクゾクしました。

メッチャこじつけですが、咲江は足を引きずっていたでしょ？「ストーカー」の子供も身障者だったと思うんだけど、その代償に「ギフト」を授かる的な。

原作とも離れていっちゃうけど、咲江が「ただの器」である三隅をコントロールしていたとすればちょっと怖いでしょ。

是枝監督も真犯人がわかんないぽい発言をしてたので、もうそういう領域を超えてある種、神の視点を得たような感触さえあります。見てるこっちも底なし井戸に片足突っ込んじゃったようなうすら寒い恍惚感に浸らせていただきました。