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[コメント] トゥモロー・ワールド(2006/米)

クライマックスの呑気なヒューマニズムと、ラストの希望・絶望ごちゃまぜな微妙感。 このギャップはどうしたもんでしょ。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







なんか3点にするの勇気が要ります。

虚無感たっぷりなテイストは好みではある。「28日後...」みたいな厭世観。ピンクフロイドのジャケやステージそのままの建物やブタちゃんなんかはテリー・ギリアムぽかったりもする。音楽はもろにオッサンぽくてイヤ。

すごいインパクトだったのが、例によっての手持ち風カメラ。そしてワンカットが途切れない驚異の長回し。加えて、この前見た「マイアミ・バイス」が思い出される銃撃音の凄さ。

良くも悪くもそのあたりのビジュアルインパクトが一人歩きしちゃったような感じなので、2時間があっという間でドラマが食い足りない。生殖能力が無くなり人類が危機に瀕していることはわかるものの、その切実さがいまいち伝わらないのでクライマックスが取ってつけたように感じちゃう。セリフで長々と説明する必要は無いが、逆にシャマランみたいにやたらめたら伏線・メタファーを散りばめて欲しかったのだ。

あとは毎度のごとく書くけど、ジュリアン・ムーアとの過去についてのフラッシュバックが無いために、クライブ・オーウェンのモチベーションが伝わりにくいところ。酒びたりスモーカーという、いかにもなキャラ設定がけっこうハマっていただけに過去をほじくってもっと泣かせるべきだと思う。

ジュリアン・ムーアは、あそこは偽装で、終盤になって影の首謀者として姿を現すとばかり思っていた。あんな出番だけでいいんでしょうか?

いつも同じようなことを書くが、2時間という商売サイズに収めたのが惜しまれます。スピード感はバッチリだけどね・・。

ラストもハードな余韻を残しつつもやっぱり消化不良な感じ。子供の体に救世主のシンボルを示す「あざ」が見つかるとか、オーメンばりなこざかしさが好みだったりするのですよ。どうせ希望を持たせるなら、「再生」への光を、一気のドンデン返しで輝かせるようなケレン味もアリじゃないかと

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ロープブレーク[*]

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