[コメント] 火垂るの墓(1988/日)
兄妹の悲惨な結末 = 戦争が原因ではありません。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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妹を死なせたのは兄の意固地なプライドである。戦争ではない。 あの場合何がなんでも妹を生かさねばならなかった。 例え親戚からどれだけ疎まれようがあの家の世話になり続ければ妹は死ななかった。 無理矢理に追い出されたわけではないのだ。 急死ではなく徐々に弱っていたのだから大人に預ける時間はあった。 兄の無責任さや偏屈ぶりを棚に上げて戦争の悲惨さに問題をすりかえてはいけない。
例えば特攻隊が死んだのは明らかに戦争そのものが原因だが この映画の場合、背景が太平洋戦争じゃなくても、あの兄なら妹を死なせているはず。
感情をゆさぶり必要以上に可哀想に思わせる物語で、その矛先を意図的に反戦に向けたい原作者と監督のあざといばかりの意図と偏ったイデオロギーを 見抜かねばならない。
★追記:実際に終戦を体験した方々に聞いてみた。
「もうじきアメリカさんがやって来るのにこんな(汚い)のがおったら恥やで」
本当にこんな感情を持っていたのか?
→国民のほとんどは栄養失調で皆生きる気力もない状態。 汚い孤児達が多かったのは事実だが、進駐軍の目を気にして、戦争孤児の汚さを恥ずかしいと思う者など居なかった。 すでに国全体も国民もボロボロになっているのに外聞を気にする必要も余裕も無い。
実際とは違ったウソの国民メンタリティに満ちた台詞をこの作品の冒頭に持ってきた意図とは何だろう?
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