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[コメント] ミッション・トゥ・マーズ(2000/米)

無駄な場面は多いしあまりにちゃちかったり既視感にあふれていたりもするが、ゲイリー・シニーズ演じるジミーの心の動きだけを思えば「なんて切ない映画なのだろう」とも。
tredair

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







長年ともに愛しあい、同じ夢を追っていたマギー。宇宙へ一緒に行こうと、15年もの訓練に耐えともに頑張っていたマギー。恋人であり同志でもあるマギー。そんな最愛の恋人を亡くしたジミーは、まだ心から笑えない。

それどころか、リーダー候補にさえなるような能力の持ち主でありながらも、マギーの死が原因で、大好きな宇宙にさえもう飛び立つことができなくなってしまっている。だって当然ではないか。<マギーと一緒に>宇宙に行きたかったのだから。その秘密を知りたかったのだから。

けれども、そんなジミーを一生懸命に支えようと、必死で盛り立ててくれようとする友人もいる。ルークだ。自分だって妻子としばし別れなければならなくなるという最後の夜に、それでもジミーと一緒に過ごし、どうにかして彼を励まそうとしてくれる。宇宙からジミーを笑わせようとバースデイソングを歌い、ひとときではあるけれど、彼に笑顔を取り戻してさえくれる。

そんな大切な友人のルークが、どうも火星で事件に巻き込まれたらしい。ひどくピンチなようだ。時間がない。もうこれ以上、大切な人を失うわけにはいかない。もういい、俺が行く、行かせてくれ!

友情に突き動かされ、もともと一番の実力者でもあったジミーは完全な復帰を果たす。ルークを救助するというミッションのため、再び宇宙へと旅立つ!

そして、(珍奇なことも含めた)いろんな経験をし、その結果、かの地で<最愛の人マギー>が話していたことの意味をしみじみ実感する。まるで輪廻するかのように、引き継ぎ、引き継がれる生命。その不思議と大いなる力。嗚呼、耽溺。これでジミーの傷ついた心も救われる。そうだ、命は引き継がれるんだ、引き継いでいくものなんだよ。うんうん、オレもこの流れに乗る、乗らずにいられるか!

よかったね、ジミー。マギーを亡くして以来しょんぼりモードだったジミーが、ようやく自分の生を肯定的にとらえられるようになったのだもん。自分が生きている意義を見いだせるようになったのだもん。よかったじゃないの、それで。切ないよい話ではないの。

だからこそ、(どう考えても話を盛りあげるためだけに)ウッディを死なせることはなかっただろうよ、とも思うけどね。

(評価:★3)

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