世間ではあまり評価されてない映画ですが、私はすごく好きな作品です。 はじめて見たのは2000年の夏、当時18歳。たまたま好きな映画の隣にあって、いつもあらすじが目に入ってきていて その面白そうな話が気になっていました。で、ある日思い切って借りてみることに。 が、こんなに衝撃を受けるとは・・・。見終った後はあまりの後味の悪さに呆然とし、 1週間レンタルなのに1日で返そうと思ったぐらい。ガクガクブルブル震えてあまりの怖さ、歯がゆさに しばらくはビデオ自体に触るのも怖かったし、一人でトイレにも行けなかったことをよく覚えています(笑)。 すぐさまネットを使って、この映画を観た人に「なんであんな終わり方なの！？続編はあるんでしょ？？」と詰め寄って聞いてみたくなりましたが、 しばらくして「ああ、これは友情の物語だったんだ。二人の友情の強さを見せたかった映画なんだ」と理解し 自分の中で納得しました。 この映画は音楽がとてもいいですよね。すぐにサントラを買いに行き、後味が悪い映画だけど全編独特な雰囲気を醸し出していて 音楽と共にすごく好きな映画になりました。　 今ではビデオもDVD持ってるほど。

家でこの映画の世界に浸る毎日・・・。 しかし、ある日とんでもない物が映っていることに気付いてしまいました。 アリスが朝市に出かけて鏡を見ながら洋服を選んでいるシーンです。 この時、画面右側前方に注目してみて下さい。 後で空港にてアリスのバックから検出されることとなるあの青い缶と全く同じ缶がそのお店の売り物として山積みになって置いてあるのです。それが映るのはほんの一瞬です。 しかし、カメラはそれを意識するようにしっかり捉えて見据えています。 その直後、ニックに声を掛けられ振り向くアリス。それと同時にカメラも素早く左へと動きます。この一連のカメラの動きは注意して見ているとものすごく意味ありげな動き方なのです。 絶対、カメラマンは意識している動きだった。

なぜあのシーンであの青い缶が映ったのか？それはやはり、アリスがニックから麻薬を預かったということじゃないでしょうか？ その証拠に、ニックと一夜を過ごし安宿に帰ってきたダーリーンは部屋の鍵しか持ち帰ってこなかった。麻薬など渡されていない。 アリスがニックに服を買ってもらい安宿に帰ってきた時、アリスは大きな土産袋を抱えて部屋に入ってきた。その土産袋はまるであの青い缶が2つは入っていそうなほどパンパンに膨れている。荷造りした時も、アリスは部屋から出てくるのが妙に遅かった。それにもしケイトが頼まれて運ぼうとするのであれば、薬を詰め終わった荷物を部屋に残しクレアに運ばせようとはしないだろう。 ボーイは部屋から車まで運んだだけで怪しい行動はない。偶然選んだタクシーのトランク内に麻薬が用意してあったとも考え難い。 。 そしてラストのアリスの独白。 「A lot of people won't understand　Why I said I did it.　 But for me, it was the right thing to do.」 「なぜ私があんなことを言ったのか、多くの人は理解できないだろう。 でも私は正しいことをした」

アリスが犯人だとしたら、決して後味の悪い中途半端な終わり方じゃないような気がします。

この映画は場面転換がすごく良いと思います。 最初から最後まで飽きることなく一気に見させてしまうし最後まで面白い。 展開がほんっとに良い。 。

ちなみに英語で「Deliver Me」とは、「私を助けて」という訳にもなるそうです。