[コメント] メトロポリス(2001/日)
時代は’60年代半ば。中国の黒龍江省の奥地で実はメトロポリスと呼ばれる秘密都市を劉少寄・周恩来・��小平ら革新派が計画。世界の中心国家を目指していた彼らは同胞ソ連にも内緒で、中国４千年の知恵をしぼって人民に代わる戦略ロボット（完全無欠なマルクス・レーニン主義の実行者）の開発を推し進め、理想的な共産社会の建設を夢見ていた。
この計画に対して「人民を裏切る行為」と決め付けた毛主席は人民解放軍を差し向け、次々と開発者達を自己批判させ、失脚させていった。しかし、実はマオ先生。完成した１体のロボットが大のお気に入り。なんったって自分を裏切らない、忠実な自分の主義主張の実践者。このロボットを完成させたところで真の共産国家へとステップアップし、敵国アメリカどころか、同胞ソビエトにすら、負けない世界トップの地位に踊り出るのだ！と吠える。
そんなマオ先生の影で解放軍でも地位を伸ばしつつあった奥さんの江青が「そんなロボットは不要。我らには偉大なる指導者・毛同志がいるではないか！」と全人大（←中国でいう国会）でぶちあげ、歓喜に沸き返った若者たちが紅衛兵へと姿を変え、国中の機械たる機械を取り壊し、国中パニックに。危機を感じたマオ先生、メトロポリスに内緒で赴くが、途中で紅衛兵に捕まり、まさか毛本人とは思いもよらないハルビンの１学生に「うそを言うのはブルジョワジーの始まりであり、毛同志の教えに反する。自己批判せよ」と言って頭から「私は毛ですと、うそをつきました」という看板みたいなゴザを頭から被らされて、市中引き回しの刑の後、殺されてしまう。
毛主席の死は７６年まで極秘とされたが、（ここより史実）立ち回り根回しの鬼・周恩来の機転で、国の指針を建て直し、まさかの敵国アメリカとの国交回復を実現、��小平の復活、江青ら五人組の壊滅など、現在に至る解放路線へと着手するのであった。
そして、それから２５年。中国の山間・謎の無人都市の片隅から１体のロボットが発見された。それを世界各地では奇跡の発見と呼び、「先行者」と銘々してネット上ではブームにすらなったという。ロボット「先行者」の存在を巡って繰り広げられた事件、それが文化大革命の真実だったのだー！と、健さんは訴えるのだった。
と、うそのようなストーリー（←うそです）。実在の人物と手塚風味のＳＦ、まるでＳＦのようなうそっぽい革命が毎日おこっていた、かの国（一部いまだに続いてますが）の夢物語。ちょっと江青の活躍が早い気もするけど、それはご愛嬌。林彪の使いどころが無かった。とりあえず、疲れたよ、俺は。名前などなど間違っててもおら知らん。おしまい。
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