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[コメント] パープル・レイン(1984/米)

この映画との出会いが人生を変えた。変えた…というか、「このまま突き進め!」と後押ししてくれた。その結果、今の自分が存在している。…う〜ん、正解だったのか?
ピロちゃんきゅ〜

注意:以下のreviewはほとんど映画と関係ありません。しかし殿下を好きでこの映画を見た人なら許してくれる…と信じてます(ニヤリ)←と、ここでサイマフさんに敬意を表してるんだが、伝わる?…ま、そーゆーこってす。

自分がロック(というか、西洋ポップス)に初めて出合ったのが小学校4年生ごろ。王道ではあるがビートルズからだった(青盤・赤盤)。当時、中学生だった兄の影響をモロに受けてのロック入門であった。小さい頃から何をするにも、兄にくっついて行動していた「お兄ちゃん大好きっ子」だった(←過去形?)自分は、兄が友達同士でチャリンコ遠征するのが楽しい!となれば、自分もー!とチャリンコを漕ぎ、兄がパチンコ玉を使ったゲームで盛り上ってる!となれば、自分も入って盛り上ったる!と参加し、兄が家庭教師に影響を受けてギターを買って弾き始めた!となれば、自分もギターをやりたがり、兄がビートルズというバンドが気に入った!となれば、自分も好き〜と思ったり、兄がシネスケに参加したとなればってモウエエ! ま、それぐらいくっついて歩いてたって事さ。お陰で友達がみんな5歳年上だったあの頃…。今思えば、みなさん、よく付き合ってくれました…。で、そんな、ナンとも親からしてみれば、「この子(オレ)は、自分一人で生きてゆくなんて出来るのだろうか?」とさえ思ったであろう自我崩壊(自我皆無とも言う)のブラコンなカワイイ男の子だったのだ(←過去形)。

そんな「行動原理は兄」な自分にとって、最初の自我の目覚め(というか、強制覚醒)は中学校3年の時だった(充分に遅い)。兄が高校を卒業して、東京へと旅立ってしまったのだ。一人、青森に取り残された自分。ここで初めて、LPを買うにも自分で選ばねばいけなくなった状況に、戸惑いながらも、とりあえず「兄が知らないミュージシャンを開拓する」のを人生目標に、ちょうど世の中にレンタルレコード屋が出現した時期もあいまって、手付かずだった大物から小物から白人から黒人から色々と聞く事となった。この時期に出会った音楽は、未だに兄と微妙に趣味の違いが出る原因となっているようだ。その西の横綱がローリングストーンズだった。ちなみに東の横綱は松本伊代かな?大関にはデビットボウイ。ザ・フー。関脇にドアーズ。ロキシー。小結あたりにE・W&ファイヤー(すぐに引退)。モータウンレーベルの方々。あぁ、まだスライには出会わなかった。前頭筆頭にABC。なっつかしー。「Look of love」とか。今聞くと、リズムのキレとかでんでんなんだろーなぁ…。

( ゚o゚)ハッ!そんな話じゃなかった。殿下、殿下!プリンス、プリンス!と、さり気なくサイマフ氏風(なんてコピペだけど)…

初めてプリンスという名に出会ったのは、ストーンズの「山羊の頭のスープ」あたりにハマッて、小遣いはたいて「Love You Live」を買うかどうかで迷っていた頃、ロッキングオン(だったかな?)の記事で、ローリングストーンズの全米ツアーの前座にプリンスという男が登場したという記事を読んだ時だった。それが殿下とのファーストインパクト。ストーンズを注目していた故に、その記事に気を止めた訳だけど、ミック・ジャガーの「黒いミック・ジャガーだ」のコメントに「どれ、オレ様が聞いてやらぁ!」ぐらいの関心を持った。けど、その時はそれでおわり。だって、当時、うちのイナカで、プリンスなど入荷するレコード屋ってものが無い。だいいち、貴重な5000円の月の小遣いで、そんな聞いた事もないミュージシャンのLPを買う暴挙など誰がするものか。LP買うぐらいなら5枚レンタル+FR46分5個パック(TDKでもマクセルでもなく、富士を使う、その無意味なマニアック趣味な自分に酔っていたあの頃…。今なら素直に言う。音質悪すぎ!と)。あ〜んど、残りの2500円で、どうしても買いたいLP1枚を買う。そんな時代だったのよ。

で、そっから3年後、そのプリンスという名を忘れかけた、というか忘れてたんだけど、その時、たまたまTVにプリンスという異形なミュージシャンの姿を目にしたのだ。確か、ビゲをはやしてスカート姿だったハズ(記憶の操作でより変なカッコのイメージになっただけかもしれないが…)。やっていた曲は「Controversy」(これは確かです)。なんかねー、日本語のタイトルが「戦慄の貴公子」なんていうダサダサなタイトルでもね、ホントニね、戦慄が走ったのよ、オレは。これがセカンドインパクト。

「なななななななんだ!この変なヤツは????プリンス…プリンス…プリンスって、あれか!黒いミックジャガー!!!」

もー、走ったね。全速力でビーバップよ(←青森市民は笑う所)。でも、店でプ〜の欄を見たら無いのさ。「やっぱ、無いのか…」なんて思い…、と、今思い返すと、オレ、「ロック」のトコしか見てないやん。あれは違う所にあったんだろーな、きっと。で、話を戻しまして、思い切って店員に聞いたのよ。

「プリンスっていう人のアルバム探してるんですけど」

そしたら、なんと店員が驚いた表情をして

「お客さん、いいセンスしてるじゃな。その歳でプリンスと来るのは、なかなかいないよ。しかも情報通だね!」

と、好待遇。「来月の20日に届くから連絡先と〜」と言う。店員にすっかり、新譜「Purple rain」の情報をいち早く掴んで予約までするマニアックな高校生に見られたわけだが、欲しかったのは3年ほど前にリリースされた昔のアルバムだったわけで、勘違いされながらの「Purple rain」購入であった。翌月プリンス殿下の新譜を目にし、まず、ド派手なハーレーぶりとバラのばら撒かれ具合に目眩がし、レコードを取り出したら、紫色のディスクに唖然とし、針を落とすと、そのレッツゴークレイジーぶりに全身の毛穴が開くぐらいのシビレを感じた。この瞬間にサードインパクトを受けた自分は殿下に完全補完されたのだったー(←少なくとも「Batman」あたりまで)。

しばらくすると、このアルバムからシングルカットされた「When doves cry」が日本のメディアでもかかるようになり、たくさんの人がバスタブからぬおっと立ち上がる紫の煙を見る事になって、見事にプリンスはメジャーな存在になったわけだが、あの一連のVクリップを見て、「映画見るぞ〜」と思っていたんだが、当時の彼女に「パープルレイン?ママと行っちゃった。すっげーつまんなかったし…。プリンスはちょっと…」と言われて見事にガックリと膝をつくオマケまで殿下には頂いたのであった。

余談ながら(ホントに余談だな…)、映画のほうも大好きよ。お茶目で。なんかこう、微笑ましくて憎めない。見たのは東京に来てからだったけど、もうサイコーよ。殿下のおちゃめぶりといい、練習の時のメンバーとの確執から、ライブの時の苛立ち感といい、楽屋での雰囲気といい、リーダーたる責任感と成功へのプレッシャーと、親は余計だった…かな?でもオヤジの丸い背中ごしの「Computer Blue」のピアノソロは泣けたね。本番の曲より数十倍に良かったし。お楽しみの声?かと思いきや、泣いてる声を逆回転の音だったり、うおぉお〜オレもやってみたぜ!→笑い声を逆回転→まるで危ない人

ま、映画単体でみて、出来は良くないかもしれん。なんだか過剰な演技でアレアレかもしらん。話のスジもぼやけてるかもしれんし、ジョークもなんだか笑っていいのやらってのが多い。でもモーリス・デイのミラーパフォーマンスはサイコー!プリンスのライブパフォーマンスもサイコー!!アポロニアとのドロドロラブラブエッチがもうサイコー!!!!5点!!!!これは譲れない、いや、罵倒されようが、冷笑されようが譲る事ができない一線の映画。バイブル。この映像と音楽があるから今の自分がある。これ本当。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)浅草12階の幽霊 ゆあん 立秋[*] れん muffler&silencer[消音装置][*] てべす[*] ボイス母[*] あき♪[*]

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