《FACT6》『ブレアウィッチ』以来の衝撃？　ネタの切れたハリウッドに、小学生レベルのアイデア一本で殴り込みかけちゃうフレッシュなノリと勢いはもう最高！　ジョン・カーペンター級のチープ具合がなんとも味わい深い、衝撃の超B級サイコスリラー大傑作！

《FACT5》……この映画、ひょっとしてアイデア一発だけの駄作ですか？　いやいや、そんなはずはない。そんなはずはないぞ。だとしたら1800円も払って見た俺の立場はどうなる。認めない。これを駄作とは認めないぞ。なんとかこの映画をホメないと……

《FACT4》これってもしかして、10分前の記憶が消えちゃう主人公を周りの奴らが利用しようとしてるんじゃなくって、主人公自身が、自分にとって都合のいい物語になるように記憶を操作してるってオチ？　「人は自分の覚えていたいことを記憶する」「自分の見たいものを見る」ってか。うっわマジでそんな教訓話がオチなんですか。冗談だよな。

《FACT3》え、ちょっと待って。……えーと、アレがああなってコレがこうなって……ウーン？　あの女が言ってんのはウソなのか？　じゃなくってあっちのオッサンの言ってることがウソなのか？　うわ頭こんがらがってきたよ。でもこれ、ちゃんと最後にはすべての謎が一本の線につながって、誰しも予想だにしなかった衝撃のラストへと導かれるんだよな。楽しみだなあ。よし、がんばって見るぞー。

《FACT2》さぁ始まった。ワクワクドキドキ……。アレ？今さっき主人公が殺した男がまた出てきてるぞ？　こいつまだ生きてんの？　なんで？　……あーなるほど、主人公の記憶容量に合わせてシークエンスを10分ごとにぶったぎって、時制を逆さまにして見せてんのか！　なんて大胆なアイデアなんだ！　フム、これは『ユージュアル・サスペクツ』以来のサスペンスの古典的傑作になるかも知れないぞ！

《FACT1》え、「前向健忘症」？　何ですかソレ？　なになに、10分前の記憶を忘れちゃう病気にかかってる主人公が、妻をレイプした犯人に復讐するサスペンス？　それから何？　かつてない斬新な語りのスタイルがウリで、リピーター続出なんだって？　おおなんかすっげえ面白そうじゃん！　よーしどれどれ……