エディ・マーフィーが特殊メイクやCG合成を採り入れて演じているコメディ作品は何も本作に始まったことではない。それらは飽くまでも一要素であって映画の本質とは異なっていると思うのだが、どうしても特撮にうるさい観客は物語そっちのけで見た目の評価に走りがちだ。

物語自体はと言うと、これは昔から良くあるステレオタイプとしてモノを測りがちな人間を誇大化して、より人間のあさましさというか誰しもが抱きかねない人間の欲＝悪と捉え、面白可笑しく表現している。言ってみれば自虐的な映画とも言える。

このテの映画が受けるかどうかは別にして未だにあとを断たないのは、人間がそれほど進歩も成長もしていないからなんだろうな。そういうところが面白い。