なぜ廃棄物の処理システムが20世紀の途上国並なのか。ロボの残骸が山中に投棄され、既にＩＤを剥奪された故障だらけの逃亡ロボたちがそこから部品を漁る。彼らは生き？残るために逃げ、部品を漁っている。この展開は明らかに不自然だろう。生き？残ろうと必死になっている時点でこのロボたちは感情や意志を持っているではないか。ここで既に主人公の子供型ロボは特別でも何でもなくなっている。

さらに反ロボ派の人間たちがそこにロボ刈りに来て、捕獲されたロボたちは熱狂する観衆の前で派手に破壊されるのだが、心を持たないはずのロボたちがそこでは哀しみを共有し、その多くは破壊を前にして脅え、あがいている。人間に対し派手に抵抗しないだけで、ここでも彼らは意志や感情を十二分に表現しているではないか。あまりにもテーマと整合性を欠いていないか。それにこのグロテスクさは何とかならないものか。

あとラスト数十分間の無駄に長い感動の押し付けにも心底辟易しました。