大島監督って役者の顔の生むイメージをとても大切にする人だよねー。これだけ揃ってると｢演技」ってあまり必要ないという感じがする。いや大抵の役者は演技もうまかったけれどもさ。

減点要因として、（これがしんみりと物語を味わうような映画であれば別だが）話の展開にたたみかけるような勢いがないのが(日本映画の常とはいえ）、やっぱり物足りない。説明不足でもいいからどんどん先に進んでほしい。この点で、たけしのモノローグが余計という意見に私も賛成。

昔の大島渚よりも肩の力が抜け、メッセージ性が薄まったのは、年をとったのではなく、円熟味が増したのだと判断したい。権威を批判するという目的があるのだとすれば、より効果的になったと言えるのでは？

次回作にも期待する。　　(２０００／１０／７）