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[コメント] ミスター・ベースボール(1992/米=日)

本作自体は極めて表面をなぞっただけに思えるが、日米異文化の差異を描くのにベースボール(野球)は鉱脈だなと。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 いきなりネタバレで恐縮だが、最後、バントすんだよな、トム・セレック(役名:ジャック)は。9回裏、一打逆転サヨナラのチャンスで、確か二死満塁の状況だった。野球の定石から言えば、打者に本塁打記録の更新がかかっているとかいないとかにかかわらず(*)、絶対バントはない場面。この映画のスタッフ、野球分かってんのかと思うが(そんなはずもないが)、結末としては、アメリカの方が異文化へ合わせたという形。作品に沿って言えばaccept、受け入れる、か。アメリカにも、自分たちの流儀を貫くのではなく、相手の価値観を受け入れて、そちらへ合わせるのを潔しとする文化があんのか、へー、と思った。

 ただ、簡単に言えば、そこはあんたホームランと来なけりゃドラマとしてはどっちらけだろと、思わされる映画だった。

 *)ジャックは、前の試合までに7試合連続本塁打を記録。これは、当時の日本プロ野球(NPB)界の最高記録で、ジャックの所属する中日ドラゴンズの監督、内山(高倉健)が選手時代に打ち立てたという設定だった。日本記録の更新がかかった打席だったのだ。前段として、ストーリー中盤、監督からジャックに送りバント(自分はアウトになって走者の塁を進める)のサインが出され、強打者を自負するジャックが立腹するという状況設定があった。

 ちなみに、実際に今でも7試合連続がNPBの最高記録。達成したのはやはり2人で、一人は読売ジャイアンツの王貞治(1970年代)。もう一人は阪神タイガースのランディ・バース(1986年)。バースのケースが本件の土台になってんのは間違いない。バースがバントしたことあんのかどうかは知らん。

70/100(21/8/31記)

(評価:★3)

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