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[コメント] 大統領の執事の涙(2013/米)

アメリカの公民権運動の大まかな流れをおさらいできる。史実を、再現したというより、うまく再編した印象。
G31

 強いメッセージ性はない。虐げられた人たちの視点ではなく、立ち向かった人たちの視点でもなく、はたまたごく一部のエリート層の視点でもない。平和な生活を送っていた多数派(と思われる)黒人庶民の視点から描かれている。

 自分たちの権利の正当性を主張し、しなやかに抵抗する黒人たちの姿や、その強靭な覚悟のほども描かれるが、むしろそういった先鋭的な同胞たちの行動や、そのもたらす影響を固唾を飲んで見守っていた黒人庶民の姿が描かれている。

 ここがこの映画の最大の特徴だ。大統領官邸で執事として働く男の息子が、本当に公民権運動家だったのかどうか知らない(できすぎのように思う)。だが、多くの黒人庶民は世の中の動きをそのような気持ちで見ていたのだ。そういったことを象徴した設定のように思った。

 僕は、なかなかこれはうまく機能していたと思う。深い感動はないが、静かな希望が沸いてくる。

 主人公・セシルの内面を説明するナレーション(独白)は少々うるさかった。

80/100(14/03/08見)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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