[コメント] 善き人のためのソナタ(2006/独)
芸術が人を変えるという話は本来は好きだ。私自身が感動しにくい体質になってきている。それにしてもこれは苦い映画だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
当の「ソナタ」に楽曲としてさほどインパクトがなかったのは確かだが、それは関係ない、と思った。なぜなら、主人公ヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)は、人の生活を監視するというシステムそのものに潜む悪を、徐々に感じ取りつつあった構成になっているからだ。だがこの手の社会の腐敗、堕落、硬直、ないし社会の血栓のようなもの、は、西側社会、なかんずく日本にも普遍的にあるものだ。ただ旧東ドイツ社会での出来事だから(悪なのだ)、としているような安易な姿勢に、若干不満を感じたのである。
あるいはこれは、芸術によっても変わらない自分、を認識させられてしまったからであろうか。だとすると、やはり当のソナタにもう少しインパクトが、ということになるのだが・・・・・・いずれにしても苦い映画だ。
75/100(07/09/24記)
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。