[コメント] メルシィ!人生(2000/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
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リストラの候補にあがったサラリーマンがゲイのふりをすることでリストラを帳消しにしようとする映画。
真面目なサラリーマンの人生一転映画ということでありがちな内容に走るかと思ったが、この映画は主人公のピニョンがゲイのふりをすることで周りの状況の変化をストーリー展開上わかりやすく描いていて、コメディシーンにも素直に楽しめた。
特にピニョンのことが嫌いで最初はゲイ差別主義者だったサンティニが同僚にからかわれ、次第にピニョンに恋愛的な好意を持ってしまうところが実に丁寧に描かれいて面白かった。
他にもピニョンが本当にゲイかどうかを確かめようとする会社の仲間とかピニョンにアドバイスを与えるベロンといったキャラの絡ませ方もほどよく描かれていて全体的にテンポよく進みコメディ映画としては申し分ない出来。クライマックスの工場でのセックスシーンも非常に面白く印象的。
不満な点があるとすればラストでピニョンとピニョンの上司のベルトランが結ばれるシーンがあるのだが、そこに至るまでの経過が二人のエピソードからは不十分でちょっと唐突な印象を受けた。また会社がコンドーム生産工場だったとしても、社員の一人がゲイだっただけで急に会社の人がピニョンに注目したりとか、社長がリストラ候補からはずしたりとか、そこに至る展開が面白いがちょっとスムーズに描きすぎな感じもする。
役者としてはピニョン役ダニエル・オートゥイユが最初はゲイのふりをすることにあまり意欲的ではなかったが、段々周りからも注目され、結果としては息子にも見直され父親としても、一人の男しても成長していく姿をわかりやすく演じていて素晴らしかった。 ジェラール・ドパルデューもゲイ嫌いだったのに徐々にピニョンに好意をもってしまうサンティニ役を好演。
映画としては全体的にテンポよく描かれていて、近年のフレンチ・コメディの中ではなかなか良く出来た映画。おすすめ。
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