[コメント] 座頭市(2003/日)
セリフがつまらない。ハンバーグをつくるのに最高級の肉を用意したが、肉にこだわるあまり「つなぎ」を用意するのを忘れ、あわてて最後に安いパン粉を買ってきて量も計らずにダバダバと混ぜ合わせてしまったような印象を受ける。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この作品に登場する人物の全てのセリフは、殺陣とダンスの「つなぎ」になり下がっている。さらに「つなぎ」として量が多すぎる上に質が非常に低い。終盤、斬られる前のくちなわの親分のセリフや、家を再建している最中の会話など、作品を締めくくるのを焦っているようにしか感じられない。また、御前試合で浪人が浅野忠信を倒した後に吐く「剣術は真剣でやれ」というようなセリフも、今どき少年ジャンプの漫画でも使わないよ、という位のダサさである。やはりこの監督、喋りは得意でも改まって原稿に文章を書くのは苦手なのだな、と再認識した。
セリフがしょぼい一方で、殺陣は素晴らしく美しかった。本作のCGを駆使した殺陣は、技術と発想力が高いレベルで融合した好事例であろう。切断された腕の飛び跳ね方から血の舞う様子まで、その美しさに茫然としてしまった。こんなキ○ガイ殺人鬼みたいな感想を私に書かせてしまうくらい、文句無しで美しかった。それだけに、繰り返すがセリフのやる気の無さが悔しい。
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