[コメント] ターミネーター3(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
※最後の方で、ターミネーター3のノベライズの内容に触れています。
近年『マトリックス』、『マイノリティ・リポート』など、やや画面が暗い映画を見続けたからか本作の画面の明るさは、それだけでとても良かった感じです。
ジョンがT850と初めて遭遇するシーン、、(「俺は、夢を見ているのか...?」といった感じのジョンの表情がいいです。)、 シルバーマン博士がT850を目撃してトラウマ再燃といったシーンは、シリーズ物の演出がしっかりなされているようで、登場人物の心理描写に筋が通っていて感情がこちらにとても良く伝わってきた感じです。
後半の見せ場となる男性トイレでのターミネーター同士の格闘は、機械には天地は無用と言った感じで、人間味を廃して無表情に黙々と戦う二体の描写が凄まじく(良く考えたらターミネーター同士の格闘の場合、表情など人間らしく振る舞う必要はないのですね。正体をお互い知っているので。)、人型兵器のタイマンバトルといった感じで良かったです。
監督は戦う場所がトイレだと、便器の大きさ、硬さ、質感、広さの感覚は万国共通の物なので、観客に感覚が伝わりやすく舞台としては格好であると判断したらしいのですが、2体の打ち付け合っている感覚、ぶつかり合いが確かにダイレクトに伝わる感じだったので、格闘する場所としてはとても好都合だったのではないでしょうか。
ラストシーンは古いSF映画を見ているようで無常観がなかなか良く、絶望的な状況ながらもそれを受け入れ活路を見いだそうと手を重ね合わせるジョンとキャサリンを捉えたカメラが徐々に引いていく描写が印象的でした。(核シェルターのセット・デザインは猿の惑星シリーズを彷彿とさせる感じです。)
惜しむらくはT−Xが女性型である有利さをあまり強調して描かれなかった事と、CRS内に、T−X、ジョン・コナー達がどうやって進入したのかやや説明不足が目立った点。この辺りもう少し詳しく描いて欲しかったです。 (ノベライズには上記の件が詳しく描写されていましたので上映時間の関係でカットされたのかも知れません。)
※ノベライズではT−Xが最初に遭遇する警官を誘惑する描写(色仕掛けで誘いを掛け、路地裏に連れ込み銃を奪う)の他、T−XのCRS施設への潜入は、墓地の上空を旋回していた警察のヘリを奪い警官に化けて侵入、ジョン・コナー達がCRS内に武器を携えて侵入できたのは、入り口の守衛にはケイトの顔パスで通過(将軍である父親に緊急の用がある)、施設内ではT850がガードマンの足を撃ち足止めにしてエレベーターでCRS中枢に向かう描写など、映画本編でやや描写不足だったシーンがより詳しく補足されるような形になっていました。
後、倒産したサイダーバイン社の元技術者がCRS内にいて、スカイネット構想の推進役を担った。シュワによく似たキャンディ軍曹という軍人が出てきて、CRS内で開発中の人型ロボットのモデルになった(現れたT−850を見て、瀕死のロバート・ブリュースターが「君はキャンディ軍曹だな?」と問いかけると「違う。私は、サイボーグだ。」とT−850が答える、などのエピソードが盛り込まれていました。
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