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[コメント] ピンポン(2002/日)

いろんなスタイルのプレーヤーが互角に共存出来るのが卓球の醍醐味だとしたらこの映画での5人は互角に共存できた、と言えるのだろうか・・・
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







●キャラクター

最初の1時間を子供時代と優勝した時の大会に焦点を当ててもよかった(そこでのペコはまさに現代のドラゴンばりのスターとして描くとして)。チャイナの中国時代の大会も欲しい。スポーツとは人から「あいつは昔凄かった」と言われて理解する物ではない。実際の試合を見て「こいつ、すげー!」となるのだ。スマイルの憧れやアクマの二人に対するライバル心は子供時代を映像化して説明すべき物だった。

だからこの映画を観た人達はペコが実は凄い奴だという感覚がないまま終盤まで話が進んでしまう。同じ理由でコーチもそう。結果として今光っているスマイルとドラゴンに人気が集まってしまう。本来ならチャイナも含め5人が同じように扱われるように工夫出来たはず。

●全編に影響する撮影のスタンスについて

松本大洋でイメージするのは全てのシーンに絵の独自性が存在するところ。

もし彼が湘南の海岸線を上空から絵にしたら?

魚眼レンズ風全景、ドアップのカモメ、版画の様な不器用な線・・・動的なモノが止まって見える瞬間の美しさというか・・・。この映画にその独自イメージを求めるのはどうかと自問自答したが結局、原作を映画化したくなったきっかけに上記のイメージが含まれていない訳がない。それを含めての松本作品だと思うのだが。ゴッホのグルグル回る風景画が良いか悪いかは別にしてコレを実写で普通の風景として見せられた違和感とでも言うのだろうか?

そういった上記の違和感が無かったペコとドラゴンの試合中の「絵」・・・真っ白な背景のドラゴンのセリフはちょっと泣いた。出来ればドラゴンから返ってきたピンポン玉がペコのラケット面に当たって半分へこんだ絵とかもっとマンガチックにして欲しかったのだ。

あとは音楽。打ち込みだったなーって程度。あれなら無い方が良いよ。エンディングの曲、サビのコードが安直だ、笑止!

(評価:★3)

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