戦国時代の人間はずいぶん融通が利くんだなあ。未来からやってきたというとんでもない話をアッサリ信じちゃうんだから。

…と最初のうちは思っていたのだが。

やがて、今回のはら一家がなぜ傍役に回り、廉姫と又兵衛の盛り立て役に徹しているのか、ようやく分かってきた。

人を信じること、愛すること。戦国時代において、それは現代とは比べものにならないほど制限されていた行為だ。抱いた想いは秘めておくしかない。しかし、制限されるほどその想いがますます強まるのもまた事実である。秘めた想いだからこそ、それがさらけ出される時、制限の（ほとんど）ない現代に生きる我々にとってはまばゆいばかりの光を放つ。しんのすけ以下のはら一家は、それを（観客である我々に）媒介するために彼らと出会ったのだ。

なんて難しいこと言ってるけど、つまりは日本映画でも100年近くの伝統を持つジャンルである「メロドラマ」なんだよね。それでも、メロドラマをアニメで、しかもクレしんでやってしまったところが、原監督以下スタッフの面目躍如たるところだというのもまた事実。いやお見事！

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余談ですが、我が家の近くには鎌倉時代の古戦場跡があります。自分もタイムスリップすれば又兵衛のような武将に会えたりして…。