感情移入が出来なかったから３点止まり。

私はこういう作品に一番肝心なのは、登場人物になりきる感情移入だと思っている。作品の登場人物と同じ空気を吸い、同じ所で生活する事によって、より感動を増幅させる事が映画を楽しむ為の醍醐味だと心得ている。だからこそ、人に何と言われようと『タイタニック』では、同じ船に乗り込んだ乗客として映画に”参加”した。この作品では二コール・キッドマンとユアン・マクレガーの組み合わせに違和感アリアリでどうにも感情移入できなかった。

確かに「愛し・愛される」ってなメッセージは伝わるが、公爵も異様な程の勘の悪さなんかから、憎らしさが中途半端。

加えて、肝心のクライマックス部分で公爵の使おうとした銃が劇場を飛び出して、エッフェル塔に当たったときに急に冷めた。その上、二コール・キッドマンが息を引き取る場面然り。ぜ〜ん然、二コール・キッドマンが死にゆくほどの結核の悪化を示しているとは思えないし、わざとらしさ見え見え。

えっ、狂喜乱舞を愉しむ映画だって？・・・でも最後は泣かせようとしたでしょ？ラーマン監督。他人に何と言われようと、俺の焦点は”感情移入なんだぁ！！”

冷めた見方をした私だが、ムーラン・ルージュの世界に放り込まれるような視覚効果と豪華絢爛さに免じて、３点まではあげる。