[コメント] PLANET OF THE APES/猿の惑星(2001/米)
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あまりに安易な猿人と人間の和解にボーゼン。長年に渡って引き継がれ、もはや生理的嫌悪にまで及んでいる”反人間感情”が、あれしきの展開で払拭されるなんて理解不能。人間の猿人に対する憎悪、不信感も然り。ラストでケリをつけたなんてこと以前に、今までの展開は一体何だったんだぁ〜!、と思わず叫びたくなってしまった。
ハリウッド大作に見せかけて、パロディ的なコメディに仕立てようとしているのは、見ていると何となく分かるし、それだけを考えると都合の良い展開も許せるのかもしれない。さらにロコツではないにしろ、今回も阻害される異形のモノみたいな色が見え隠れしてる。しかし文明批判に基づいた争いの歴史にまでテーマが及んでいる以上、都合の良い展開を笑いではぐらかすなんて到底無理だし、もっと本腰入れてやらなきゃダメ。よって笑いも終始引っこむ。
今までのバートン氏の異形への愛が、どこか安っぽくても許せたのは、あくまでそれがプライベートな愛であったからだと思う。はぐらかしたような笑いは、個人的な偏愛が自嘲気味に表れたモノってのも少なからずあるような気もするし。だからチープでもニクめない。でも今回みたいに、個人的じゃ済まされないテーマにまで話が及んだ時点で、今までのスタンスでは無理が出てくるし、結局は素材がこの監督には合ってないのでは、なんて思ってしまう。
とはいえそれとは別に、到底自分では出来なかった皆様のラストの解釈は、興味深く拝見しました。スバラシイ。
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