キューブリックだろうがスピルバーグだろうがどうでもいいんです。

「ピノキオ」をあれだけ意識させておきながら最後の最後にメルヘンを全く無視したという事がいやなんです。

あえて過去の有名な誰でも知ってる童話を現代版に置き換え、かつシビアに表現する。そんなもの誰が待ち望んでいたのでしょう。それもあれだけリアルに。（ハーレイ君のうまさがまた切ない）

もっと違った形（違う題材）で表現する事は出来なかったのでしょうか？確かに人間の手によって作られたものたち（ピノキオ・アンドロイド）の「最終的な希望」は創造者である人間となることでしょうけど。人が神に憧れるように。

これだけシビアなものを見せられた子供たちはどうなんでしょう。結構、物語を勘違いして期待して見た子供たちも多かったはずです。（大人も多いはず、私もその一人）メディアの持ち上げ方もおかしかったですね。

ロボットが人間に憧れるけど、結局なれない。誰でもわかる「常識」です。「メルヘン」でなければ当たり前すぎます。

ラスト、デイビットは幸せだったのか？幸せだったと私は思います。しかしそれはデイビットの立場としてで。人間である私の感情は悲痛なものでした。