キューブリックが残した設定が、スピルバーグが語りたかったテーマの邪魔をして、なんか筋の通らない印象の映画になってしまったという感じ。スピルバーグも人のやり掛けを引き継ぐなら、奇麗さぱっりキューブリックの痕跡を残さずに自分のイメージで映画を塗りつぶすべきだったのだ。（ということをこの映画を見て思った）

とは言え自分がこの映画を楽しんだ理由の９９％くらいがキューブリックが残したらしいイメージに拠っていると思われるわけで、スピルバーグが好き放題にやったとして同じぐらい楽しめるかどうか疑問なわけだが。

それにしても２０００年待って技術の発達で母親の代用品が手に入りました、じゃあまりにも散文的じゃないだろうか。（というか皮肉か？皮肉なら映画を短くしろ）こういう話で映画にするに値する結論ってのは、母親から愛情をかけてもらえないということをデービッドが受け入れる、という展開しか有り得ないと思う。 それでこその２時間２０何分だかじゃないんだろうか？

なんか『オープン・ユア・アイズ』を思い出す虚しさだった。